ゆいまーる佐野店のシーサーたちと優生ちゃんの物語『第二話』
こんにちは、ゆいまーる佐野店です。
本日は久々に『シーサーと優生ちゃんの物語』の第二話を綴っていきたいと思います。
シーサーと優生ちゃんの物語『第二話』
二匹の赤ちゃんシーサーの世話をすることになった優生(ゆい)ちゃん。
あれからどうなったのか、気になりますよね。
これは、彼女がシーサーたちと暮らし始めて、半年が経った頃のお話です。
あれから半年が経ち、優生は中学二年生に、シーサーはちょっぴり大人になりました。
シーサーたちは、人間にすると中学生くらいの年齢になりました。
赤ちゃんだったころは、優生が壁に大切に飾っていた、アニメキャラのフィギュアを壊したり、優生の服を破ったりを繰り返し、好き勝手遊びまわっていました。
しかし、イタズラを繰り返すたびに、優生が泣いて悲しむ姿を見るたびに、シーサーたちの心の中に『悪いことはやめよう』という感情が、少しずつ芽生え始めたのです。
シーサーたちにイタズラをされた日、優生は必ず学校を休みます。
学校でもいじめられているのに、家に帰れば『ペット』にまで嫌われている。
(わたしに『にている』から、いっしょにがんばれたらいいなって、
そうおもって、おうちにつれてきたのに、それすら、かなわないの?)
そう思うたびに心が辛く、悲しくなって、涙が止まらなくなってしまう。
やがて『学校なんか、どうでもいいや』と思うようになっていきます。
そうしているうちに、優生は『不登校児』になりました。
シーサーたちに『思いやりの感情』が芽生え始めたころから、優生は家に引きこもって、ネットの世界で生きるようになっていきました。
昼夜逆転の、だらしない生活を繰り返すようになり、そのたびに両親から怒られ、終いには『キレる』ようになりました。
『リアルなんてもうどうでもいいや』が口癖になった彼女の姿は、一年前とは別人のように変わってしまいました。
地味な服装を好む、あのころの優生はどこにもいません。
アッシュグレーに染めた髪には、毒々しいピンクのメッシュ。まるで、今の彼女の心境を表すかのような、奇抜なヘアスタイル。
マッドレッドの口紅に、長いつけまつげ。カラコンを入れた『人工的な大人の顔』は、幼い自分を誤魔化そうとしている気持ちの表れでしょうか。
変わり果てた優生は、同級生から『不良』と呼ばれ、怖がられるようになっていきました。
どうやら、シーサーたちが『思いやり』を覚えるのには、タイミングが遅すぎたようです。
二匹のシーサーには、ネットの『仲間』たちと、楽しそうにチャットしている優生の後ろ姿を、不安げな眼差しで見守ることしかできません。
どうすれば良いんだろう。
どうすれば、元の『優しい』優生ちゃんに戻ってくれるのかな?