ゆいまーる佐野店のシーサーたちと優生ちゃんの物語『第一話』
ゆいまーる佐野店のオリジナルキャラクターのシーサーくんとシーサーちゃん。
今日はこの二匹のシーサーと優生ちゃんの『出逢い』についてお話していきます。
生まれたばかりの赤ちゃんシーサーは、飼い主(神様)に捨てられてしまいました。
神様のペットとして飼われていた、赤ちゃんシーサーの二匹はイタズラが大好き。
そんな二匹はある時『天国』に行く予定が決まっている、ひとりの女の子の未来を、いつものイタズラで『地獄』へ傾けてしまいました。
それを見かねた神様は、二匹の赤ちゃんシーサーを『ひとりの人間を不幸にした罰』として、下界に捨て去りました。
『厳しいですが、罪を犯したからには容赦しません』
二匹のシーサーは、女の子が元気に笑って過ごせるようになるまで、神様のもとへ帰ることができません。
一方で、今まで楽しかった学校生活が一転して、将来が真っ暗になってしまった優生は…
真面目で勉強熱心な女の子『優生(ゆい)』は、中学生になったとたん、学校でいじめに遭うようになり、心も身体もボロボロになっていきました。
土砂降りの雨の中、いじめっ子に破られたノートを大切そうに抱え、傘もささずにとぼとぼと自宅へ帰る途中。
涙と雨でぐしゃぐしゃになった感情が、ふと、口からこぼれ落ちました。
『わたしなんて、しんじゃえばいいのかな?』
それに反対するかのように、突然『キャンキャン!』と動物の鳴く声が飛び込んできました。
振り向くと『とちおとめ』の段ボール箱に、犬とも猫とも判別がつかない謎の生き物が、春雨の寒さに震え、怯え、鳴いていました。
二匹の震える姿を見た優生は、たちまち放っておけなくなり、気づけば声をかけていました。
『キミたちは、わたしとおんなじだね』
冷たい二匹の赤ちゃんシーサーを抱えた優生は、そのまま自宅へと向かいます。
『彼らの命を預かる』という、重大な決心を胸に抱き、玄関の扉を開けました。
いつものように『ただいま!』と元気な声で。
家族のあたたかいぬくもりに甘えながら。
『わたしには、いばしょがない。 けれどせめて、このこたちのいばしょは、わたしがまもらなきゃ!』